心の病気
社会がどんどん複雑になっていくにつれ、心の病気にかかる人が恐ろしい勢いで増えつつあります。その筆頭に挙げられているのが「うつ病」です。
心は常に変化をし、外からの刺激だけでなく内からの刺激でも「風邪」を引いてしまうことがあります。実際、恐ろしいのは、心の病気は身体的な病気と異なり、心の病気があると人間性を否定されてしまうということです。しかし現実には、心の病気を抱えている人は実際、膨大な数に上ります。「病名」がつかない、心が晴れない、といった思いも含めるとほとんどの人が何らかの苦しみを抱えながらも毎日を送っているのではないでしょうか?
心の病に対する正しい知識と認識をもっていること、そして心の病を防止するための適切な方法を知っていることが現代社会を生き抜くための不可欠なツールなのかもしれません。
「うつ病のチェック」
心の病、特にうつ病は非常に多くの人が苦しんでいるにもかかわらず、実際、何がそうなのか、これは病気であり、「怠け」なのではないということを知るためにも自分で自分の心を見つめ、「うつ病のチェック」をするテクニックをもっていることが大切でしょう。
そしてちょっとでもおかしいな、と感じたら、迷わずに助けを求めてください。精神病を扱う機関としては代表的なのは「精神科」ですが、精神科はまだまだ誤解されている面があり、敷居が高いのが現実です。
精神病という看板を掲げていなくても、心療内科など、他の名称で心の病を扱うところもあります。「メンタルクリニック」という看板もよく見かけるようになりました。
顔見知りではなく、相談事をするという気軽な気持ちで、早め早めに心の重荷を下ろせるとよいと思います。
こんなうつ病もあります
うつ病というのは、いろいろなきっかけで起こります。ほんのちょっとしたことでうつ病に陥るということを考えると、この病気がどれほど身近なものか、わかります。
おもに社会的、心理的なきっかけで陥るうつ病にはさまざまなものがあります。身近な不安材料をチェックしてみてください。
●荷降ろしうつ病
長年悩んでいた心の負担が急に解決したことで「ほっ」とし、「荷」がおりたことで起こるものです。たとえば、一生懸命働き、やっと念願のマイホームを手に入れた! 息子の受験で奔走していた母親が息子の合格で一気に気が抜けてしまった! 娘の結婚が決まった! 寝たきりだった母親の面倒をみていた嫁が母親の死後、気が抜けてしまった! などです。
何十年と勤めてきた職場を定年になった人が、朝、もう会社に行かなくていい、となったとたん、1日をどう過ごしていいかわからなくなり、気分が落ち込んでしまい、やがてうつ状態に陥ることもあります。
●昇進うつ病
同期入社の同僚たちとしのぎを削ってやっと手に入れた、念願の部長職! やっとの思いで昇進したとたんにかかるうつ病です。新しい役職についたことでやる気がある反面、そのプレッシャーに耐えきれない、上司と部下の間に挟まれて身動きが取れないといったことが原因です。
●引っ越しうつ病
環境の変化がうつ病のきっかけとなることがあります。その代表的なものが引っ越しです。新しい環境に慣れるのにも人によって大きな違いがあります。元来まじめな人はなかなか新しい環境に適応できないことが多いようです。元の居住地へ帰ることもできず、かといって新しい居住地にも自分の居場所を見いだせず、宙ぶらりんになってしまうのでしょう。
ましてや新しく就職した人の場合、職場という新しい環境に入ったこともあり、よりいっそううつ状態に陥りやすくなります。
うつ病の要因
心の病気は、いろいろな要因で発症します。まずはどの分類に入るか、チェックしてみましょう。
大きく、1.内因性のもの、2.外因性のもの、3.心因性のもの、の3種類に分類されます。
1. 内因性によるもの・・・遺伝や体質などが原因と考えられる精神病です。たとえば、「精神分裂病(せいしんぶんれつびょう)」や「躁うつ病(そううつびょう)」などがあります。
「精神分裂病」は、「統合失調症(とうごうしっちょうしょう)」と名称を改められました。
はっきりとした原因がわからないことから生まれながらの素質が原因であろうと考えられてきましたが、環境的な要因も重要視されるようになってきています。
2. 外因性によるもの・・・脳に物理的な打撃が加わったことによって生じたり、ホルモン系統のバランスの崩れなどが原因で生じる心の病です。
・「症候性精神障害」・・・内分泌障害などによる精神障害や肝臓障害、その他、内臓の疾患による精神病。
・「中毒性精神障害」・・・麻薬依存症などによる精神障害や、アルコール依存症による精神病。
・「脳器質性精神障害」・・・脳炎後遺症で生じる精神障害、脳外傷後遺症。
3. 心因性によるもの・・・性格の偏りや精神的ストレスが原因と考えられる精神疾患を言います。
・「心身症」
・「神経症(ノイローゼ)」・・・ヒステリーや神経衰弱、恐怖症などが含まれます。
内因性の精神疾患と比べ、比較的症状が軽く、発病においては遺伝的要因よりも、環境要因が大きな引き金となると考えられます。
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